世界遺産アンコール・ワットはいかにつくられたか

世界遺産アンコール・ワットはいかにつくられたか

世界遺産アンコール・ワットはいかにつくられたか

アンコール・ワットはカンボジアの首都であるプノンペンから西北に250キロメートル、トンレサップ湖の北端に近く、アンコールの遺跡群の中でもっとも大きいものです。クメールの王スールヤヴァマン2世が1133年に即位後、すぐに着工され、約30年の歳月をかけて完成したと言われています。

 

 

アンコール・ワットとは正確には「寺院によって造られた町」の意味で、実際には都城に付属した寺院のことを指します。中央の尖塔ではスールヤヴァマン2世とヴィシュヌ神の合体したヴィシュヌ・ラージャ神像が礼拝されていました。3重の回廊は数キロメートルに及んでおり、ヒンドゥー教の神話をもとにしたレリーフが壁面を飾っています。中央の尖塔は高さ65メートルで、人間が抱く天井への憧れを示したものと考えられています。

 

 

アンコール・ワットがいかにして建てられたか、ということは一部のレリーフしか残っておらず、その具体的な様子は明らかにされていません。ただし、30年に渡る工事で数万人の人夫が動員されたことは簡単に予想できます。足場となる竹櫓が祠堂の上まで高く高く積み上げられ、その作業を棟梁が指導しています。祠堂の下方では石材を滑車で引っ張り上げるために綱を数十人で引いている人夫がいます。隣の現場では基礎から塔壁の石積みが始まっています。

 

 

その作業を竹櫓の先からバランスがとれているかを診断する先ほどとは別の棟梁が声をかけています。石材ブロックの山がうず高く積み上げられています。象が巨大な大伽藍を作り上げるための石材を引っ張って運んできました。付近の地中から加工用の土と砂岩が掘り出され、建造物の主軸が作られ、レリーフがその上に刻み込まれます。石積みが終わったところで、絵柄や画像が描かれます。祠堂の上層では、彫り師がノミで仕上げ作業を行っています。完成したところで、多量の金箔がちりばめられ、さらに彩色が施されます。このようにして、大規模かつ大量の人員を動員して、アンコール・ワットが築かれていったと想像することは十分に可能です。